作:葵屋かなた

(1)の続きです



授業中で誰もいない、静まりかえった廊下。
リカと私は、お手洗いを目指して急ぎ足で歩く。
私は、さっきの教室での出来事を思い出していた。

――リカ、私のこと見透かしたような目をしてた。
やっぱり私がお手洗いに行きたいこと、気づいたのかしら。
だとしたらリカ、こういう時には機転が利くというか。

なんだかんだ、よく見てるのよね、私のこと。
お礼を言おうと私は口を開く。

「リカ、ありが……」
「いやー、1人でトイレ行くの恥ずかしくってさー」
「え?」

テレッ、とした顔で笑うリカ。
………………ダメだ、こいつまるで何も考えてない。

何よ! 私の状態には気づいてなかったの!
ちょっとだけ見直したつもりだったのに!
リカめ、ただ自分がお手洗いに行きたかっただけか……。

そんな気の抜ける会話をしながらも、私たちの歩調は速く。
すぐにお手洗いの前に到着した。

リカは完全に前押さえの体勢で、
スカートの上からギュッとアソコを押さえてる。
リカ、限界ギリギリみたいね……。私も、だけど。

「付き合ってもらっちゃってごめんねー!
 じゃ、おしっこ行ってくる! 待ってて!」

そう話しながら、慌ててお手洗いへ駆け込むリカ。
ああ……あの子もお茶をたらふく飲んでたっけ。

いけない。考え事をしている場合じゃないわ。
偶然とはいえ、リカがもたらしてくれたチャンス。
私も急いで済ましちゃいましょう。

「こぼれそう……ゆっくり歩かないと」

リカもいないし、誰も見ていないのをいいことに
私はスカートの内側に右手を差し入れる。
ショーツの上から出口を押さえつつ、お手洗いの中へ。
こうでもしないと、いつ漏れてもおかしくない。

トイレには個室が3つあって、1つはリカが使ってる。
授業中だから、他の個室は空いてるでしょ……え?

「故障中? うそ……2つも?」

尿意が強すぎて、考えがまとまらない。
故障が2つ? 3-2で答えは1?

落ち着け、落ち着け悠海。残りは1。その1つには?
…………リカがいる!

そんな!
すぐ出せると思ってたから、もう我慢が……!

sh02「リカ!? まだ……まだなの?」

ドンドンドン!
私は必死に、リカが入った個室のドアを叩く。

「んー? ゆーちゃんもトイレー? ちょっと待ってて」
「ま……待てない! 早く! 早くして!」

ドンドンドン!

「もうー。ゆーちゃんが騒ぐから、おしっこ引っ込んじゃった」
「じゃあ……じゃあ替わって、リカ、お願い……!」
「ちょっと待ってってばー」
「私……私、ピンチなの! ねぇリカ!」
「あっ、出そう」

チョロチョロチョロ……。

「ふうーーー! 気持ちいいーーー!」

ジョーッジョーッ……。

勢いよくリカの排泄音が聞こえてくる。
すごく気持ちよさそう……。私も早く出したい!
こんな派手な水音を聞かされたら……!

…………誘発……されて……。

…………………………。

……もう…………。

「で……出る……」
「ん? ゆーちゃん、なにー?」
「おしっこ! おしっこ出ちゃう! ダメッ!」

チョロチョロチョロ……。
チョロチョロチョロ……。

リカの水音と、私の水音が重なる。
ショーツを飛び出した私の液体は足を伝い、床へ飛び散る。

sh03「止まらない……止まらないわ……」
「ふぇっ!? ゆーちゃん、まさか……!」

個室の中からリカの声が聞こえてくる。

「ゆーちゃん! ゆーちゃん!? ………………」

でも頭がグチャグチャで、内容はよく理解できなかった。
ただ、慰めてくれているような雰囲気だけは伝わってきた。

リカ……ごめん、ごめんね。


(オチはありません(`・ω・´))