葵屋かなたでございます。

開発中に書いたまま放置してすっかり忘れていた「わがままま」のSSです。ネタ切れの先週に出せば良かった……!('A`) 挿絵はさっき慌てて描いた上にグダグダ塗りですのでクオリティはお察しください。

SSの内容は、実績解除で見られる「追加シナリオ No.7」の直前、なぜあの事件が起こったかの話です。限界ギリギリのおしっこ我慢をお楽しみください。ゲーム内容のネタバレはありませんので未プレイでも読み進めて大丈夫ですよー!(`・ω・´)

今回のおしっこ我慢担当さん↓
ex07
彼女はなぜ限界に至ったか~
  「わがまま魔術師はおしっこしたい!」掌編


作:葵屋かなた

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  ――髪を結って。エプロンを着けて。
      今日も元気に頑張ります!

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カンバスの町にある、一番大きな宿屋。わがまままEX7_1
ここには肉料理主体のレストランがテナントとして入っています。
このレストランで働くアンは、よく言えば純朴そうな、
言い方を変えれば少し田舎っぽいところがある、店の看板娘です。

今日のアンは午後のシフト。
昼のかき入れ時から夜の閉店まで、接客を担当します。

「んんっ! 今日も忙しくなりそう!」

アンは軽く伸びをして、ひざの屈伸運動。
そうして体のキレを確認し、店のスタッフとあいさつを交わします。
普段と変わりない、アンの勤務前のスタイルです。

「えーっと……今日の相方はレナちゃんね」

アンがシフト表の確認をしていると、その当人がやってきます。
ショートカットの髪を揺らしながら現れたレナは、なぜか沈んだ表情。

「レナちゃんおはよっ! どうしたの?」
「おはよーございますー……ちょっと調子がー……」
「顔色、悪いわね」
「毎月恒例のアレが……今日はなんか重くて。おっかしいなぁー」
「ああ……そっか。レナちゃんって、いつも重いんだっけ?」
「そんなことないですよー。こんなキツいの、めずらしいです」
「無理しないでね、つらくなったら言って」
「うぃーす。とりあえず、クソ忙しい昼メシ時は踏ん張りますから」

フラフラと歩くレナを心配そうに見守るアン。
とはいえその心配も、忙しさですぐにかき消されます。

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「アン! これ2番さんに出して!」
「おっけー! すぐ行く!」
「Aランチ2つですね。少々お待ちください」
「にんじん足りないよ!?」
「レナ、7番さんの注文取って!」

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バタバタバタ。厨房も接客も、昼食の時間は大忙しです。
接客は午前担当と午後担当で2人ずつ、4人で当たりますが、
レナの動きが少し鈍いこともあって、うまく回りません。

ミスしないよう気を付けつつ、それでいて大急ぎで。
12時、13時、14時。
怒濤のごとき来客を凌ぎきり、アンはようやく息をつきます。

「アン、そろそろ帰るわね。おつかれさま!」
「はーい、おつかれさま!」

朝から仕事をしていた午前担当の2人を見送ったところで、
アンはレナの体調を思い出します。

「そうだ。レナちゃん? 体調は…………って顔色悪すぎ!」

ホールから厨房へ戻ってきたレナを見て、驚くアン。
レナのフラフラ度は、2時間前のそれから大きく悪化していました。

「ぼぇぇー……わたし死ぬかもです……血が、血が足りない……」わがまままEX7_2
「貧血ね、休憩室で少し寝ておいで」
「あぃー……すみません……早めにホール戻ります……のでぇー」
「無理しなくていいから。あと、何か食べた方がいいわよ」

アンはレナを休憩室へ押し込み、気合いを入れ直します。

「これは……ディナータイムまで1人で回さなきゃいけないかもね」

背伸びをして、ひざを屈伸。
いつもの手順で体のキレを確認したアンは、ホールへと戻ります。

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――それから2時間後、時刻は16時。

いつもなら忙しくないはずの2時間……だったのですが。
アンは多くの客を相手して、疲れが溜まり始めていました。

「なんだろう、今日はお客さんが多い気がするわ」

この日カンバスの町では、人気画家の展覧会が開かれていて
その客がレストランに流れてきていたのですが、
当然ながらアンはそれを知る由もありません。

お客さんには笑顔、笑顔。いつでもスマイル!
疲れを気取られないよう意識しながら、アンはオーダーを取ります。

「ロールケーキとチョコパフェですね。少々お待ちください」
「アンー! これ6番さんに出してー」
「はいはいー!」

ふとアンは、下腹部にかすかな違和感を覚えます。

「んっ…………」

(そうか、いつもなら休憩の時間ね……。トイレ、行きたい)

普段はこの時間帯に休憩して、ここでトイレを済ませるため
アンの体が「いつも通りに」トイレの欲求を出し始めたようです。
その欲求は、アンの意思に反して急速にふくらんでいきます。

(レナちゃんが戻ってこられればいいんだけど…………)

その時。アンは、厨房にスタッフ以外の誰かがいることに気づきます。
独特のシルクハットとストライプのスーツを着こなす、店のオーナー。
店長と話し終えたらしいオーナーは、アンを見て近づいてきました。

「オーナー! こんにちは!」
「アンちゃん、今日も元気そうだね」
「はい!」
「そういえば休憩室でレナちゃんがうなされていたが……」
「ああ……やっぱりダメそうですか。すごく調子が悪いみたいで」
「そうか……ではやはり、入れるか」
「どうかしました?」
「今日の夜、もう1人接客のシフトを追加できそうなんだ」
「えっ!? 本当ですか!」

夜のかき入れ時は基本的に、昼から続く午後シフトの2人と
夜シフトの2人を加えて、計4人で仕事を回します。

レナの分は自分でカバーしようと考えていたアンですが、
その話を聞いて少し心に余裕を取り戻しました。

「実は、さっき大通りでケイちゃんと会ってね……。
 あたしのシフト増やせーって散々言われてさ」
「ふふっ、そういうのは店長に直接言えばいいのに……」
「まったくだよ! でね、店長に掛け合っていたわけ」
「そうだったんですか」
「そういうわけだから。ケイちゃんには私から話しておこう」
「助かります! ありがとうございます!」

ケイも、アンと同じくらい長く接客を担当してきており、
仕事の腕は一級品。もちろんアンとも仲よしです。
これでもう今日は万全だと、アンは考え始めていました。

「じゃあアンちゃん、私はこれで。夜にまた、何か食べにくるよ」
「はいっ! お待ちしてますね」

手をヒラヒラとさせて去って行くオーナー。
と、喜んだのもつかの間、再びアンに尿意の波が押し寄せます。

「くぅんっ……!」

トイレに行きたい。でもホールには自分1人しかいない。
夜の担当がホールに現れるまで、あと1時間。

(夜担当が誰か来たら、少し替わってもらおう。
 トイレはそれまで我慢! 大丈夫、我慢できるわよ!)

後編(2)に続きます